性差別的な価値観の押付けは?セクハラ関連判例_ハラスメントtopics25

今回は、性的言動や性差別的な価値観に基づく発言の違法性を問われた判例を紹介します。

【第75回】「同僚の警察官による性的な言動や性差別的な価値観に基づく言動につき違法性が肯定された事案」―警視セクハラ損害賠償事件|裁判例を検索しよう|裁判例を見てみよう|あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト-

事案の概要

女性警察官Xが、同僚の男性警察官Yから性的・性差別的な言動によるハラスメントを受けたとして、Y個人に損害賠償を求めた裁判

認定された行為の例

    • 歓迎会でズボンを意図的にずり下げるなどの数回にわたる露出行為、執務室での露骨な性的な発言(性器に関する、風俗店)
    • 性差別的な発言(例:「女性なんだから」「可愛くせないかんよ」など)
    • 外国人に関する差別的・性的な発言
    • 懇親会や送別会での性別に基づく固定観念の押し付け(「女性はかわいいとか、やさしいとかあるやん。それぞれの特長を生かして仕事もせな。」Xに対して「かわいいところがある」)

 

違法性

Yの本件露出行為及び発言の1部は、セクハラ行為にほかならず、Xの人格権を違法に侵害するものとして、不法行為が成立すると認定された。
性差別的な一定の価値観をXに押し付ける内容、露骨に男性性器に言及しているものがあり、いずれも社会通念上許容される限度を超えているとして、各発言により不快感を抱いたXに対しては、Xの人格権を違法に侵害するものとして、不法行為が成立すると認定した。

結論

Yの一部の言動は職務とは無関係であり、民法709条に基づく不法行為責任が認められた。
Xに対して、慰謝料30万円と弁護士費用3万円の損害賠償が認められた。

意義とポイント

この裁判例は、単なる性的言動だけでなく、性差別的な価値観の押し付け(ジェンダーハラスメント)も違法性が認められる可能性があることを示しています。👈(ここ重要です)

特に公務員の場合は国家賠償法の適用があるため、職務との関連性が判断の分かれ目になりますが、民間企業では個人責任が問われるケースが多くなります。

 

まとめ

以下にそれぞれが意識しておくべきことをまとめました。

発言する側が意識すべきこと

    • 職場は公的な場であることを意識する。
      • 「親しみ」や「場の雰囲気」を理由にしても、許容されるとは限らない。
      • 「自分は悪気がなかった」は通用しないことを理解する。
    • 性別に基づく固定観念を押し付けない。「女性だから」「男らしく」などの言葉は、ジェンダーハラスメントと認定される可能性がある。
    • 冗談や軽口でも、性的・性差別的な発言は相手を不快にさせる可能性がある。
      • 相手の反応を尊重し、相手が不快そうにしていたら、すぐに言動を改める。

 

周囲や受け取る側が意識すべきこと

    • 不快に感じたら我慢しない。見て見ぬふりをしない。
    • 違和感や不快感を覚えたら、信頼できる人や相談窓口に早めに相談する。
    • 一人で抱え込まない。ハラスメントは個人の問題ではなく、職場全体の課題。相談することは自分を守るだけでなく、職場環境の改善にもつながる。

 

全従業員で働きやすい職場環境をつくりましょう。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

CAPTCHA