「〇〇ちゃん」呼びはハラスメント⁈_ハラスメントtopics26
この案件、とても話題になりました。検索サイトはこんな感じ➔
ニュースタイトルから、「ちゃん」づけ呼び=ハラスメント、とも読み取れますので、ちょっと驚きます。
公開されている情報から、どこがハラスメントと判断されたのかを見ていきましょう。
記事はこちら職場で「ちゃん付け」や容姿言及の元同僚、セクハラで22万円賠償命令 東京地裁 – 日本経済新聞 、他。
ちなみに、東京地方裁判所の本件判決の全文は、現在のところ一般に閲覧可能な形では公開されていないようです。(11月初頭調べ)
概要:
女性(40代)が東京都内の営業所に勤務していた2020年以降、
同僚男性(40代、女性より年上らしい)が、名前を「ちゃん付け」で呼ぶほか、「かわいい」「体形良いよね」「下着が見えてしまう」などと発言した。女性は21年にうつ病と診断され、その後退職した。
判決(ポイント):
• 「ちゃん」付け呼びは一般的に幼児や交際関係にある者に向けられる呼称であり、業務上の必要性があるとは認め難い。男性が親しみを込めて用いたとしても、不快感を与えた。
• 女性は「やめてほしい」と明確に伝えていたにもかかわらず、男性が呼称・発言を続け、日常的反復的に繰り返された 。
• 一連の発言も含め羞恥心を与える不適切な行為であり、社会通念上許容される限度を超えた違法なハラスメントと判断
• 被告男性に賠償責任を認め22万円の支払いを命じた。被用者責任(会社の責任)についても同社が和解金70万円を支払った。
まとめると、以下がハラスメント認定のポイントとみられます。
• 「ちゃん」付け呼び、外見や容姿に関するもの、性的な発言を日常的・反復的に繰り返した。
• 女性が明確に拒否の姿勢を示したにもかかわらず、発言は続いた。
• 発言は業務上の必要性はないものであり、
• 一般的・平均的な感じ方としても不快感を与えるものであり(当該女性一人だけが不快に感じたものではない)、職場として不適切な行為と認められた
会社が和解金を支払った論拠としては、
• 本件は「業務の延長線上での言動」である。
• 加害行為(ちゃん付け呼びや発言)は、職場・勤務時間中に発生した。
• 加害者は被害者の同僚であり、業務上の関係の中で呼称を交わしていた。
• よって、「職務の執行に関連して」行われた行為と認められる。
このことから、民法715条の使用者責任(被用者責任)が成立、となったとみられます。
最後に
「親しみを込めて」等の理由で呼称・発言をする前に、「これが相手にとってどう受け止められるか」、「業務と関係があるか」という点を再考しましょう。先輩・管理職こそ言葉遣い・呼称に敏感になる必要があります。






