職場の不機嫌はハラスメントか?_ハラスメントtopics23

ハラスメント防止研修のアンケートで意外と多い意見、「職場での不機嫌な対応はハラスメントになるのか?」。
具体的には、上司や同僚による、無視、挨拶を返してくれない、威圧的、こちらが尋ねると嫌な顔をする、舌打ちやため息をつく、などの対応です。

このように不機嫌な態度を周りに示し、相手を不安な気持ちにさせるなどの心理的プレッシャーを与える行為は、「不機嫌ハラスメント=フキハラ」と言われています。
または、サイレント・モラハラとも言われ、モラルハラスメントの一種とも言われています。
「フキハラ」と言う言葉で書籍にもなっていることから、世間一般でよく見られる現象であるのでしょう。

上司の方は、「また、ハラスメントかよ。なんでもかんでもハラスメントにされたらたまらないな」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。
不機嫌はハラスメントに該当するのか、不機嫌が職場にどのような影響を与えているかについて考えてみましょう。

不機嫌な対応は、ハラスメントに該当するのか?

セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメント(妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント)については、国は企業に対して職場での防止義務を課しています。(今後カスタマ―ハラスメント防止対策も追加される見込み)
不機嫌がハラスメントに該当するかを見るために、パワーハラスメントの構成要素を見てみましょう。

パワハラ構成要素

    • ①優位的な関係を背景にした言動
    • ②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
    • ③就業環境を害されるもの

この3つすべてを満たすのもはパワハラと判断されます。
このことから、上記で例に挙げたような不機嫌な態度を一つ・1回程度では、ハラスメントとは言えないのではないかと考えます。
但し、不機嫌な態度が高じて、物を投げつける、机や椅子をける、面と向かって何度も舌打ちやため息を繰り返す等、状態が悪化した場合はハラスメントと言えるかもしれません。

不機嫌が職場に与える影響

常に不機嫌な態度でいる人は、自身の感情による対応が、職場にそこまでの影響を与えているとは思っていないかもしれません。

相手を委縮させる
アンケートで寄せられた意見として、下記のようなものがありました。

      • 不機嫌な人に対しては、「今、話しかけても大丈夫かな?」顔色を窺ったり、気を遣ったりして仕事をしている。
      • 業務のことで相談したいことがあっても、顔をみて機嫌を伺ったりして、相談ができないときがある。
      • 気が休まらない。イライラする。

 

ネガティブ感情が周囲に伝染する
脳は、ネガティブな感情を受け取りやすく、かつ影響が長く続く。「いいこと」には鈍感で「嫌なこと」には敏感、という特徴があります。不機嫌な態度が、周りにいる人を追い詰めることは心理学でも指摘されています。

これらのことから、不機嫌(フキハラ)は、業務効率の低下、社員の意欲の低下、上司・会社への不信感へとつながり、成果が上がりにくい状態になってしまうのではないでしょうか。

体調管理や適度なストレス発散、自身の感情理解が大切です

不機嫌の原因として、体調不良、ストレス、自身の評価への不満、不機嫌をアピールすることでメリットがある、相手への支配欲がある、などがあげられます。
フキハラ・セルフチェックで、自分の感情を理解してみましょう。

セルフチェック

  • 物事が自分の思いどおりにいかないとイライラすることがある
  • 気分に左右されることが多く、怒りが抑えられないことがある
  • 愚痴や不満、他人の噂話や悪口などをいうことが多い
  • 自分の気持ちを理解してもらえないと感じることがある
  • 言わなくても自分の気持ちを理解してほしいと考えることがある

 

不機嫌を表に出す人の対処法

    • しばらく近づかない。やりとりはメールでテキストにして残す。
    • 無理に明るく接して機嫌を取ろうとすることは逆効果。その人の仕事が多すぎるのであれば、負担を減らす工夫を。
    • 感情的にならずに冷静に向き合う。
    • 不機嫌な理由を聞いて共感する。 ―不機嫌な理由が分かれば、的確な対処ができます。また話を聴くだけで気持ちが落ち着くことにもなります。
    • 上司等に相談する。

 

不機嫌な感情に引きずられないための対策

    • 好きなものに触れる ―自分の好きなものに意識を向けることで感情が安定しやすくなります。
    • 深呼吸する ―深呼吸は、ストレスや不機嫌な感情に直面したときに冷静でいられる方法の一つです。
    • 体を動かす ―仕事の合間に立ち上がって軽く手足を動かすだけでストレスが緩和し、心身ともにリフレッシュすることができます。
    • 休憩する -オンとオフのバランスを適切に保ち、ストレス管理。リフレッシュして、次の作業に集中する準備を整えましょう。
    • ポジティブな言葉を使う -前向きな言葉は不機嫌な人が放つネガティブな空気を和らげ、心地よい環境へと変える力を持っています。

 

 

参照:

不機嫌ハラスメント(フキハラ)とは? チェック項目と対処法 – カオナビ人事用語集 (kaonavi.jp)

不機嫌を表に出す人が職場にいたら? 相手の心理や対処法を解説 | マイナビニュース

不機嫌ハラスメントはなぜ起きるのか−−脳科学者が明かすキハラ」の正体 – MONEY PLUS (moneyforward.com)

 

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