【学びの情報発信 VOL8/12】「推し活」から世界平和を考える
同僚と共に9月から、上越タイムス紙面で連載「私の推し活~沼オチするシアワセ~」(ワタオシ)を掲載しています。
読者の方からのアンケートを基に、インタビューを交えながら、皆さんが熱く繰り広げる推し活&推しへの愛を紹介しています。
「推し活」とは、自分が「推す」アイドルやアニメのキャラクターなどを応援する活動のこと。
今年の流行語大賞にも選ばれていますね。
推し活って、皆さんどういう印象を持たれていますか?
熱狂的なファンがアイドルや俳優を応援している、いわゆる「追っかけ」みたいな感じでしょうか。
連載では読者の方に、推しへの愛と推し活について熱く語っていただいています。
コロナ禍で、コンサートや舞台に足を運ぶ「リアル推し活」はできずにいる方がほとんどですが、供給される配信動画などで推しへの愛をいっそう深め、会いたい気持ちを高め、巣ごもりのコロナ禍を生き延びた方がほとんどだったようです。
皆さん、推しに対する熱量が高く、何より推しによってもたらされた幸せの大きさがハンパない!
毎日が楽しくて、幸せの数が増えた
生きることが楽しい
生きがいができ、年をとることが楽しくなった
全力で応援するために、自身の体調管理に気を付けるようになった
推しの仕事に対する姿勢や思いに背中を押され、自分もやりたいことに挑戦する勇気をもらった・・・などなど。
そんなふうに、頬を上気させて推しの素晴らしさを語り、この世に存在してくれることへの感謝を語る皆さんは、まさに多幸感でいっぱい。免疫向上しまくりで、健康食品取るよりよっぽど効果的。推し活は健康増進にも役立つ。
なにより、それぞれが抱える悩みや迷い、生きづらさをやわらげ、落ち込んだ気持ちを前向きにしてくれる。そしてやりたいことに挑戦する勇気を与えてくれて、学ぶ気持ちを応援してくれる。
私自身、あるテレビドラマをきっかけに「推し」ができ、推し活の楽しさや、沼に落ちる幸せをかみしめています。
同性同士の恋愛を描いたドラマに沼落ちした私は、「多様性」について思いを巡らせるようになりました。
同性愛をタブー視しない、優しく、誰にとっても暮らしやすい世界。どうしたらそんな世界に近づくことができるのか。政治家による差別的発言が続き、LGBT新法法案の了承が見送られ、同性婚も認められていない日本は、理想とされる社会を目指すことができるのか、理想とされる社会の実現のためには何が必要なのか。
ドラマで描かれた世界は、現実世界ではまだまだファンタジーともいえます。
幻想を現実に変えるために、私たちがはどのように行動するべきなのか。
最近は、タイ発のドラマに夢中になり、どっぷり沼に漬かった状態。
比較的同性愛に寛容であるタイであっても、まだまだ偏見や差別が現存しているといいます。きっかけはどうあれ、ドラマを通して問題意識を持ち、自分が住む国がどういう社会になってほしいかに思いが至るようになったことは、とても意義あることだと思っています。私自身、推し活によって自分の知識や価値観がアップデートされたと実感します。
多様性という言葉を耳にすることが増えました。まずは隣にいる人の幸せを願い、自分を大切にし、推し活仲間=同志=の幸せを願っていれば、少なくとも戦争なんてする暇ないはずなんだけど、、、と真剣に思っています。決して壮大な発想とは思いません。
推しに出会って毎日が楽しい!おかげでますます仕事を頑張れるようになった!などなど推し活に目覚めた方がいらっしゃいましたら、上越タイムス「私の推し活」係まで連絡お待ちしています。インスタグラムもやってます。
研修企画委員 山田里英(上越タイムス社)